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夏も快適な奈良の木の住まい。呼吸する木と日々過ごす暮らしのリアルとは?

2022.09.02

夏も快適な奈良の木の住まい。呼吸する木と日々過ごす暮らしのリアルとは?

季節の移ろいを楽しみ、自然とともに生きてきた日本の人々。豊富な森林資源に恵まれていたことから、その住まいには、古くから「木」が使われてきました。

木材は、熱伝導率が低く、吸放湿性に優れるという特性があります。そのため、木の家では室温と湿度が一定に保たれ、夏は涼しく冬は暖かい快適な環境が整えられるといいます。

さらに時代は今、環境負荷や持続可能性を考えたエシカルな暮らしへ。建てる地域に適した木材を使い、地域を知る人が建てることが、エネルギー消費を抑えた暮らしにつながります。

日本の気候風土に適し、心地よくエシカルな暮らしにつながる木の住まい。なんとなく良さそう・・・と感じつつも、建てるためには何から始めたら良いのか、実際に住んだときの暮らしはどうなのか、気になりますよね。

そこで今回は、理想の家づくりをする上で役立つ過去の記事、そして、実際に奈良の木で家を建てたご家族にお聞きしたリアルなお話をご紹介します。

これから木の家づくりをはじめる方におすすめの記事3本

木の家を建てるために何から始めればいいのかという基礎知識をお伝えしているのが、国産材で建てる、憧れの木の家。予算、失敗しない住宅会社の選び方。奈良の木の家の魅力や住宅会社の選び方、予算に合わせて木を取り入れる方法など、理想の木の家づくりに役立つ情報を紹介しています。

理想の家づくりをするためには、どんな家にしたいか、どんな家が心地よいか、住宅会社のウェブページなどで施工事例を見ながら理想の家のイメージを固めることがとても大切。奈良の木の施工事例 5選|新築・リノベ・リフォーム 国産材で叶える理想の暮らしでは、奈良の木を使用した新築やリフォーム、リノベーションまでさまざまな事例を紹介しています。

理想の住まいを叶えたいなら、モデルハウスやショールームに足を運んで、自分の目で見て、触って、感じることも大切です。木で家を建てるなら。モデルハウス・ショールーム見学で叶える、理想の住まいづくり|モデル菊井亜希では、モデルハウスや完成見学会で、見学するときの注目ポイントと注意点を5つ紹介。また、実際に奈良の木を使って建てられたモデルハウスやショールームを訪ねた様子も紹介しています。

理想と現実がリンクした奈良の木の家。約10年住む家族の本音とは?

実際に奈良の木の家で過ごす日々や、築年数が経過した家の様子や住み心地はどうなのでしょうか。そこで今回は、奈良の木の家に住み始めて11年目のお宅を訪ね、奈良の木で家を建てるまでの経緯や実際の住み心地など、リアルなお話を伺いました。

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――Iさんは、奈良に戻ることをきっかけに家を建てることに興味を持ったとお聞きしました。奈良の木の家を建てるきっかけを教えてください。

十数年前に転職をして、出身地である奈良県に戻ることになったので、終の棲家として一戸建てを買うことを考え始めました。以前に住んでいた兵庫県西宮市の住宅展示場に何の気なしに行った時、たまたま入った地元の工務店のモデルハウスが無垢材を多く使うコンセプトで建てられており、その居心地の良さにびっくりしました。そこで、奈良県に住むのであれば奈良の木を使う家に住みたいと思うようになり、まずは、奈良の木に強い住宅会社を探して住宅展示場へ行きました。吉野杉や吉野桧の魅力に触れ、値段のことも「吉野杉はかなり高価で高嶺の花と思っていたけれど、意外と手が届くものなんだ」と知って、予算内に収まるように相談しながら進めました。正直、木の家の良さ、無垢材の良さなど、家を建てることになってから学んだというのが本音。奈良の木に精通した住宅会社からは、本当にいろいろ教えていただいたと思います。

――奈良の木を使うことにした決め手は?

経年変化で色が変わるというところ。選ぶ材質で変化が楽しめる、時間が経つと味が出てくることです。新しくピカピカの方が良いように思いがちですが、年月が経っても木の家は住めば住むほど馴染んでくる、住むほどにその家族の歴史が刻まれていくので、“新しい良さ”ではなく“自分たちの家と思えるように変わり続ける良さ”があるというのが魅力的でした。確かに10年経った今、吉野杉の無垢材を使うフローリングに、子どもがキズを付けてしまった所も馴染んで良い味になっている所がほとんど。目立たなくなった大きなキズも「これはあの時の…」などと思い出してみんなで笑うこともあります。

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――家を建てる時にこだわったこと、困りごとはありますか?

できるだけ仕切りがない間取りで、開放的であること。そして、機能的でデッドスペースがない、空間すべてを有効活用できる家です。例えば、階段の2段目から同じ高さで掃き出し窓につなげている段がありますが、収納でもあるし、座るのにちょうどいい高さなので、お客さんが来た時にはベンチとしても使えます。2階に上がってすぐの広めの空間は、廊下であると同時に、ちょっとしたホールとして子どもの遊びスペースになっています。床材が吉野杉なので心地良さもあるからか、子どもたちはもちろん、その友達も大好きな場所です。

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家を建てる時に“木を使う”ということもこだわりましたが、ログハウスみたいに家全体に木を使うのではなく、日々を過ごすのに住みやすい家を望んでいました。インテリアは、主に妻がインテリアコーディネーターと話し合って、照明器具などその空間に合うものを選びましたね。

困りごととまではいきませんが、設計士の方が「収納を少なくしましょう」という提案をされたのに対して、日頃使わないけれど必要なものを置く場所をどこにするかなど相談しながら決めていきました。結局、子ども部屋にロフトを作って、小さいながらの収納スペースを作ることで解決しています。いろいろ話を聞いて相談できる住宅会社を選んでよかったです。

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子ども部屋の柱には吊り下げ式のハンモックを。家を建てる前から楽しみにしていたことのひとつだとか

2022.09.02

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――主に奈良の木が使われている場所は?

1階のリビング・キッチン・書斎、2階の子ども部屋・夫婦の部屋と、家の床面はすべて吉野杉でスリッパがいりません。夏はサラサラとしていて裸足が気持ちいいですし、また冬はそこまで冷たくなくて、私の実家の複合フローリングとの違いを感じます。目で見て癒される木が目立つのは、むき出しの大黒柱もある吹き抜けのリビングでしょうか。

奈良の銘木を使っているのは、リビングに入ってすぐのところにある吉野桧による洗面台。ここは、好きなオブジェを置いたりして、ちょっとしたお気に入りのスペースになっています。また、キッチンの横に続く書斎の机は、吉野桧の一枚板です。滑らかな触り心地で字も描きやすく、仕事をする気にさせる空間です。

本当は玄関の引き戸のドアも奈良の木でと思いましたけれど、木は呼吸するので引き戸だと扱いにくいかもしれないということや、断熱や耐久性などドアに求められる性能を出そうとすると価格が高くなってしまい、予算のこともありましたから諦めました。

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奥様の書斎で利用している机も吉野檜を使用

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――吉野杉の無垢材を使う床。お手入れはいかがですか?

基本は水拭きと掃除機のみです。木の呼吸を妨げない自然塗料を1年に一度塗り直すことを住宅会社からは勧められますが、築10年のうちに全面的に塗り直したのは実は一度だけで、あとは気になるところを部分的に塗り直しているだけです。一生ものと言えるフローリングですから、お手入れが大変ではないかと思われがちですが、意外とそうでもないです。共働きの夫婦なので、まとまったメンテナンスの時間を取るのが難しいですが、時間が経っても良さを失わない、吉野杉の材としての素晴らしさに助けられていると思います。

――夏だからこそ感じる過ごしやすさやメリットはありますか?

外出先から帰ってくると、ひんやりしています。戸締りをしてエアコンを切って出かけて帰ってきても、部屋の中に涼しさを感じるのはとても不思議なほど。以前に住んでいたマンションでは、帰るとモワッと熱気があって、すぐにエアコンをかけていましたが、今の家は、まるで木陰に入った時のような感覚です。

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大黒柱があることで「木の家」であることをより感じるそう

――木の家にして良かったなと思う時はどんな時でしょうか?

何より居心地の良さです。十年経つと、ここにいるのが当たり前になりますけど、ほかの家に行くと違いを感じます。例えば、実家に行くと積もる話もありますから長居したいとはいえ、建物としての居心地は自宅の方が良いので、つい帰りたくなってしまいます。春と秋は、良い季節ですから過ごしやすいのは当たり前です。でも夏と冬は、気温も極端に違い、木の良さが顕著に出ます。住んでいると、吉野杉・吉野桧は木材として家になっても呼吸をしていると感じます。冬は木が縮まり夏は膨らむ性質。時には引き戸が閉めにくくなることも「木が生きている」と体感できてすごく好きで、木の家への想いが強くなるように感じます。

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十年経っても居心地の良さは変わらない「奈良の木の家」

実際に奈良の木の家に住むご家族のお話、いかがでしたか?築10年のお宅は、すべてが真新しい新築の家の美しさとはまた違う、時を重ねたからこそ生まれる風合いや美しさ、家族とともに過ごしてきた時間が感じられるお住まいでした。また、木の家ならではの快適性も実感されているようでした。「窓からは山々や月が美しく見えて、日当たりも良い立地の良さも加わり、安心感やリラックスできる居心地の良さは十年経っても変わりません」というIさんご夫婦の言葉からも奈良の木の家で過ごす日々を心地よく感じていることが伝わってきました。

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こども部屋の柱には身長の記録

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家が完成した記念に家族で壁につけたという手形

今回は、木の家づくりの具体的なイメージが湧くように、理想の家づくりに役立つ記事と実際に奈良の木の家にお住まいの方の声をご紹介しました。Iさんご夫婦のように、まずは住宅展示場などで“木の家の良さ”“奈良の木の魅力”を体感することから始めてみるのもいいかもしれません。

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