奈良の木のこと >
木という素材、その魅力
心地良い人の暮らしは、
木の性質に支えられている
私たちの生活や文化にとって欠かせない素材、木。悠久の時を経て愛され続けてきた理由は、木の性質が私たちの暮らしに適していたからです。
清潔で、健康に良い
木の精油成分には、カビの発生や病原菌の繁殖をおさえる効果があります。また、木の床では、ぜんそくなどの病気やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の原因になるダニが発生しにくいことが明らかになっています。そのため木造の家では、衛生的に暮らすことができるのです。 詳しいデータを見る触れると感じる、
木の断面を顕微鏡で見ると、細胞が集まって、ストローを束ねたような構造をしています。その一つひとつの細胞には空気が含まれており、熱が伝わりにくくなっています。そのため、触れたときに人の体温を奪わないので、木に触れると自然のあたたかさを感じ、やさしい印象を受けます。
ぬくもり美しい木目が、
一本の同じ木材でも、切る方向や部位が違うと、異なる木目が現れます。たけのこのように見えることもあれば、少しゆらぎのある直線だったり、波打った曲線ということも。このような木目は、自然が歳月をかけて生み出すデザイン。人の心を落ち着かせ、穏やかにするといわれています。
人を癒やす年を経るごとに、
木材は、時間が経つにつれて色合いや風合いが変化します。その大きな要因は、太陽光の中に含まれる紫外線です。木の種類や使用状況によって、色の変化はさまざま。長く使い続けることで、その木でしか表現できない美しさや味わいが増していくのです。 事例を見る
味わい深く香りで心を
木の香りには、気持ちを落ち着かせ、リラックスさせてくれる働きがあります。これは、木の香りに含まれる精油成分によるものです。家の中でも木の香りを感じることで、心身ともにリフレッシュすることができます。
落ち着かせる湿度を心地よく
木材は、空気中の湿度が高いときには水分を吸収し、湿度が低いときには水分を放出するという調湿作用をもっています。このため、木材を建物の内装などに用いていると、何もしなくても部屋の中の湿度を調節してくれるので、快適に過ごせるのです。
調節する衝撃を吸収し、
木材の、ストローを束ねたような構造がクッションのような役目を果たします。そのため、たとえば木の床で転倒したときには衝撃をやわらげ、大きな怪我を防ぎます。また、木材がしなってたわむので、歩きやすくて疲れにくいという性質ももっています。
やわらげる紫外線を吸収して、
木材は、太陽光の中の有害な光線である紫外線を吸収するので、木材から反射した光には紫外線がほとんど含まれていません。木に囲まれた空間で光がやさしく感じられるのは、木材が光をやわらげる働きがあるからなのです。 詳しいデータを見る
目を守る吸音効果で、
木材は、高音・中音・低音をバランスよく適度に吸収して、音をまろやかにするという性質があります。コンサートホールの内装や楽器に木材がよく使われているのは、やさしい音を響かせるという木の特長があるからなのです。
やわらかな音色に火災にも強い
木は燃えるという性質があります。しかし、太い木材は火がついても燃えた部分が炭となることで木の内部に熱が伝わりにくくなり、すぐに燃え尽きることはありません。一方、鉄などの金属は一定の温度を超えると急に強さを失って変形します。そのため火災の状況によっては、木造の建物の方が鉄骨の建物よりも崩壊の危険性が少ないのです。手づくりで加工しやすい
木材は丈夫なわりには軽く、切ったり削ったりして、簡単にいろいろなものをつくることができる材料です。その性質を利用して、昔から木を使った道具や加工品などが盛んにつくられてきました。また、最近は女性を中心としたDIYが注目されていますが、木材はDIYに最適の素材といえます。