“日本で唯一のBBQ芸人”たけだバーベキューさん直伝!奈良の木を使ったアウトドアグッズでつくるお手軽&美味しいキャンプ飯
そこで、『奈良の木のこと』では、バーベキューをこよなく愛した果てに“日本で唯一のBBQ芸人”となった、たけだバーベキューさんを招き、昨年の夏に掲載した記事で紹介した奈良の木を使ったアウトドアグッズで実際にキャンプ飯をつくっていただきながら、アイテムの使い心地を語ってもらいました。たけだバーベキューさんオリジナルのキャンプ飯レシピも必見です!
「関西人にとって鉄板の修学旅行先なんですよね。とにかく山が深くて木が多い。吉野杉という言葉もよく耳にしました。それと、川がキレイ!水がすごく冷たいんですよ。キャンプ場も多いんですよね。大阪にいた頃は、よく奈良まで遊びに出かけていました。」
これは兵庫県出身のたけだバーベキューさん(以下、「たけださん」)が持つ奈良のイメージ。印象の話になったところで、木製のアウトドアグッズについても聞いてみました。
「頑丈な金属や軽いプラスチックが主流と思われがちですが、木製のアウトドアグッズって意外に多いんですよ。最近は木と金属を組み合わせたアイテムも増えてきている。自然素材だから緑に囲まれたキャンプサイトによく似合うし。プラスチックや紙の皿に盛るより美味しそうに見えるのも木製の良いところです。ここだけの話、料理に自信がない人こそ、ぜひ使ってみてほしいですね。」
河川敷のキャンプサイトであっという間に調理の準備を完了した、たけださん。
さっそく、今回のためにご用意いただいた全4品のキャンプ飯レシピを教えてもらいました。
吉野桧の蓋とロッキーカップで炊く白米
『Cuivre(キュイーブル)』というブランドを立ち上げ、「Yoshino Lid(ヨシノ リッド)」というシェラカップ(ロッキーカップ)の蓋を吉野桧でつくったのは、大阪府堺市で銅管や銅の溶接棒を製造する『トーヨーメタル株式会社』。吉野材特有の清々しい香りが楽しめるだけでなく、適度に水分を吸ってくれる木の特質で、ふっくら甘いご飯が炊けます。
【材料(1人分)】
白米:1合
水:220㏄
【つくり方】
1 白米をロッキーカップに入れ、水を注ぐ。
2 蓋をして火にかける。弱火で約15分。
3 蓋の隙間の吹き上がりなど確認しつつ、炊き上がったら火を止める。しばらく蒸したら完成。
「まず、桧の蓋の素朴な香りがいいですね。自然な木の表情を活かしたデザインも金属製のシェラカップ(ロッキーカップ)と相性がいい。大きめのサイズ感でしっかり蓋できるのもよかったです。炊き立て直後は、ごくほのかにご飯に香りがしました。想像の何倍もよく炊けました。」
INFORMATION
Yoshino Lid 「Dove Tail(蟻継)」 Copper Sierra Cup蓋 500サイズ用
URL | https://cuivre.stores.jp/items/61ea44b3113ce04e1f085f81 |
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“日本で唯一のBBQ芸人”たけだバーベキューさん直伝!奈良の木を使ったアウトドアグッズでつくるお手軽&美味しいキャンプ飯
簡単!スパイスキーマカレー
キーマカレー作りで最初に使う調理道具は、吉野桧のカッティングボード。鎌倉時代から続く奈良市の老舗刃物店『株式会社 菊一文珠四郎包永』が、刃物と合わせて使ってもらうことにこだわって開発しました。こちらのアイテムも、手に取った瞬間に吉野桧の香りが漂います。
「高級ホテルや旅館のようなとても良い香りがする!」と驚く、たけださん
また、調理中に木べらとして活用したのは、奈良県宇陀市で木製食器を製作している『有限会社津田瑞苑』の「ガラスウッドコート」シリーズ。無機質・無溶剤の液体ガラスを表面保護剤として使用。透気性・透湿性があるため、木の呼吸を妨げず、本来の香りを残すことができます。
【材料(1人分)】
豚ひき肉:150g
トマト:1個
ナツメグ、カルダモン、クローブ、シナモン(カシア):各小さじ1
カレー粉:大さじ1
きざみにんにく:大さじ1
しょう油:ひと回し
塩:2つまみ
オリーブオイル:小さじ2
【つくり方】
1 弱火のフライパンでオリーブオイルを温め、ナツメグ、カルダモン、クローブ、シナモン(カシア)を入れてオリーブオイルに混ぜ合わせる。
2 1㎝角に切ったトマトを入れて炒める。
3 豚ひき肉を投入。中火で混ぜながら炒める。
4 きざみにんにくを入れる。
5 しょう油ひと回し、塩2つまみ。
6 カレー粉を全体に馴染ませながら炒めたら完成。
「トマトを切ったときの包丁の滑りが絶妙でしたね。さすが刃物屋さんがつくったカッティングボードです。意外に角のエッジが鋭かった木べらは、肉の塊をほぐしたり、直接まな板から材料を鍋に入れる時にとても便利です。」
スパイスでつくるクラフトコーラ
コーラ原液を一から手作りし、炭酸で割って飲むというユニークな一品。これをいただくのは、キーマカレーで使用した木べらと同じく、『有限会社津田瑞苑』による吉野杉マグカップ。
【材料】
水:150㏄
ナツメグ、クローブ、シナモン(カシア):各小さじ1
黒砂糖:100g
レモン:1/2個
炭酸水:適量
氷:適量
【つくり方】
1 弱火のフライパンで、水にナツメグ、クローブ、シナモンを溶かして煮る。
2 黒砂糖を溶かしながら混ぜる。
3 輪切りにしたレモンを入れる。
4 煮立ったら火を止め、冷ます。
5 器に氷を入れ、冷ましたコーラ原液を好みの分量の炭酸水で割る。
「このコーラ、簡単に作れるわりに意外と美味しいんです。黒砂糖の甘さがヘルシーなんですよね。ウィスキーやジンと割ってもイケますよ。それよりもこのカップ。めっちゃ軽い!!手づくりコーラを何倍も美味しくしてくれる木目の美しさも最高ですね。持ち手が大きくて掴みやすいです。ひとかたまりの木材から削り出したデザインや優しい手触りは、やっぱり木ならではですね。」
今回は冷たい飲み物で使用したが、木製の食器は熱伝導率が低いという特徴があり、熱いものを入れても冷めにくく、直接持っても手が熱くならないのも特徴だそうです。また、材料の杉は、農薬、漂白剤を一切不使用。自然のまま安心して使えます。
ウッドプランクを使ったホタテ&野菜のスモークBBQ
「ウッドプランク(Wood Plank)」というのは、直訳すると「木の板」。水などに浸した木の板の上に食材を置き、それをグリルなどで火にかけることで、蒸気や煙などで熱を通す調理に使います。木の板を使うことで燻製と同じ効果も発揮します。食材を木の板の上に並べグリルで焼く調理方法は、アメリカのアウトドアカルチャーから伝わったとされていますが、日本にも「杉板焼き」という伝統の調理方法があります。今回たけださんには、奈良市の『松田商店』が手掛けるアウトドアブランド「MiN」のウッドプランク「Wood Plank Next」を使って、ホタテと野菜のスモークBBQを作っていただきました。さらに一工夫として、本製品の特徴である板の表面に彫られた中央のロゴ部分に赤ワインを注いでみました。
【材料】
ホタテ:1パック
ししとう:3本
パプリカ:1個(黄と赤、半分ずつ)
ホワイトマッシュルーム:3個
プチトマト:5個
レモン:1/2個
赤ワイン:適量
ピンクペッパー:適量
オリーブオイル:ひと回し
塩:2つまみ
【つくり方】
*ウッドプランクは、最低1時間以上、水に浸してから使用。キャンプサイトではフリーザーバッグなどを利用すると便利。
1 火が入ったグリルの上にウッドプランクを置き、中央のロゴ部分に赤ワインを注ぎ入れる。
2 ホタテや野菜を並べる。オリーブオイルをひと回し。塩を2つまみ入れたら、蓋をして蒸し焼き。
3 食材に火が通ったら、ピンクペッパーを散らして完成。
「食材から木の良い香りがします。ほのかにワインの風味も。燻製のような杉の香りは、鼻に入った瞬間ビールが飲みたい気持ちにさせますね。ワインを使ったウッドプランクは初体験だったけれど、杉とワインの風味がいいからか、軽く塩を振っただけなのに全体の味のバランスが絶妙に整います。なおかつ、野菜がとってもジューシー。いつものBBQだと、
野菜の水分が抜けてしんなりしてしまうことが多いのですが、あらかじめ水に浸けたウッドプランクの上で焼くと、具材に火は通っているのに歯ごたえが残り、美味しく仕上がりますね。ほったらかしで火が入るなんて、ウッドプランクはもっと利用したほうがいいと思います。一度しか使えませんが、キャンプなら薪に再利用できるから無駄にならない。それにしても、吉野杉だからこんなに美味しくなるんですかね。」
“日本で唯一のBBQ芸人”たけだバーベキューさん直伝!奈良の木を使ったアウトドアグッズでつくるお手軽&美味しいキャンプ飯
盛り付けと実食
最後に、キーマカレーの盛り付けに入ります。この簡単&美味しい一品は、『有限会社津田瑞苑』の吉野杉の食器に盛り付けました。
「ただの丸い皿かと思いきや、微妙なカーブが刻んであって、すごく握りやすい! 2トーンも可愛いですね。同じ木のはずなのに、なんで色が違うんだろう。」
杉は、内側の赤みがかった部分を「赤身」(または「心材」「芯材」)、周りの白っぽい部分を「白身」(または「辺材」「白太」)と言って、同じ杉でも中心部と周辺部で色味が異なります。
杉丸太断面(イメージ)
「そういう杉の特徴を生かしたデザインなんですね。これだけ色が違っても自然な感じにまとまるのが素敵です。」
全ての料理を吉野杉の食器に盛り付けたら、早速実食!果たしてお味は・・・!?
「うまいですね!!吉野杉の食器に盛って見た目も綺麗なので更に美味しく感じます!」
もともと外でご飯を食べたりお酒を飲むのが大好きだったことから、キャンプやアウトドアにハマっていったというたけださん。今回は、彩り豊かな食材を使い、簡単かつ見た目も美しいキャンプ飯を作っていただきました。
――最後に、奈良の木を使ったアウトドアグッズの感想をお伺いしました。今回のキャンプ飯づくり、いかがでしたか?
木のアイテムをメインに調理するのは初めてでしたが、見た目も感触も温かくて、いつもより僕の料理がおいしくなった気がします。それから、ギアとしても器としても使える奈良の木の素晴らしさもよくわかりました。
――奈良の木のグッズ、たけださんのアウトドアライフでも活きそうですか?
メチャメチャ活きますよ。ツールも大好きだから、明日からでも使いたいです。お笑いコンビの解散を機に、他に誰もいないだろうと“日本で唯一のBBQ芸人”を名乗って活動していますけれど、今でもプライベートで泊りのキャンプによく行くんです。いちばん好きなのは、自然の中で友達と喋りながら飯を食べ、酒を飲むことですね。そこでは何も気を遣いたくないから、ギアやツールもできるだけ手に馴染むものを使いたい。となると、木の製品のぬくもりが大事になってくる。使っているうちに削れてくるとか、経年変化を楽しめるところもグッときますよね。
――たけださんはバーベキューレシピに留まらず商品開発にも関わっているそうですから、今後は奈良の木のアウトドアグッズとのコラボもありそうですね。
それ、実は今日ずっと考えていました。機会があればぜひ!優しい印象の木のツールを男性が使うと、可愛らしく見えるんですよ。そこを狙ったモテアイテムとかもよさそうですね。
たけだバーベキューさんが作るキャンプ飯はいかがでしたか? 奈良の木を使ったアウトドアグッズは見た目の美しさだけではなく、軽さや使い勝手など機能性にも優れており、キャンプやバーベキューはもちろん、さまざまなシーンにおすすめです。奈良の木を使ったアウトドアグッズからお気に入りのアイテムを見つけて、充実したアウトドア時間を過ごしてみるのはいかがでしょうか。
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