森林にはこんな
4つの機能が備わっています

豊かな森林は、景観が美しいだけでなく、木材やきのこ等の森林資源を生み出したり、土砂崩れや洪水を防いだり、多種多様な動植物のすみかとなっていたりと、多くの場面でわたしたちの暮らしを支え、豊かにしてくれています。
奈良県では、このような森林が持つ多面的な機能を「森林資源生産機能」「防災機能」「生物多様性保全機能」「レクリエーション機能」の4つに区分し、「森林の4機能」としています。
森林が持つ4つの機能

豊かな森林資源を生む
– 森林資源生産機能 –

豊かな森林は木材をはじめ、きのこ類等の食材や漆等の工芸品の原料を生み出し、わたしたちの暮らしや文化を支えています。
その他にも、雨水が森林の土壌を通過することにより水質が浄化され、ミネラル分が多く含まれた、きれいでおいしい水を供給します。
また、森林は空気中の二酸化炭素を吸収し、炭素を蓄えるため、地球温暖化の防止につながります。
森林資源生産機能

山崩れや洪水から街を守る
– 防災機能 –

樹木の根は地中に網の目のように張り巡らされており、土砂や岩石などをしっかり固定しているため、山崩れを防いでくれます。また、森林の土壌を覆っている落ち葉や下草は、雨が降ったときに雨滴の衝撃を吸収して、地表の侵食を抑え、土砂の流出を防ぎます。
森林の土壌は小さなすきまがたくさんあり、スポンジのように雨水を吸収し、蓄える能力をもっています。地中にしみこんだ雨水は、土や岩、根などを通りながらゆっくりと時間をかけて川に流れ込みます。これによって、洪水を防ぎ、雨が降らない時も川の水の量が一定に保たれているのです。
防災機能

多様な生物のすみか
– 生物多様性保全機能 –

森林は哺乳類、鳥類、昆虫類をはじめとする多くの生き物の生育・生息の場となっています。草木や木の実などが生き物にとっての食物となり、木々が安全に生活することができる場所を与えてくれるため、たくさんの命を育むことができるのです。
こうして、さまざまな動植物や生態系を森林が保全しているのです。
生物多様性保全機能

自然や景観を楽しむ
– レクリエーション機能 –

森林には、わたしたちの心とからだによい影響を与えるさまざまな働きがあります。それは、美しい景色やおいしい空気、樹木が出す独特な香りによるものです。
森林の中でスポーツやレクリエーション、教育・芸術活動、休養等を行うことは、心とからだを健康にし、日常生活への活力を生み出します。また、緑豊かな森林は景観の保全にもつながっています。
レクリエーション機能

森林を守るためには人の手によって
適切に管理することが大切です

森林が持つ4機能を最大限発揮させ、次世代にも豊かな森林を守りつないでいくため、また、森林と人とが恒久的こうきゅうてきな共生を図るためには、地域の特性(標高、地形、地質、気候等)に応じて望ましい森林の姿に導いていくことが大切です。
例えば、人工林の場合、適切なタイミングと方法により、植栽や樹木の保育、間伐、収穫等を行い、適切に管理し続けることが重要です。
間伐とは、森林の混み具合に応じて樹木の一部を伐採し、残った木の成長を促す作業のこと。間伐することで森に日光が入り、残された木は大きく育っていきます。それを何度も繰り返し、まっすぐな木がそびえる美しい森林となるのです。
  • 人の手によって適切に管理される森林
  • 人の手によって適切に管理される森林
  • 人の手によって適切に管理される森林
  • 人の手によって適切に管理される森林
  • 人の手によって適切に管理される森林
  • 人の手によって適切に管理される森林
  • 人の手によって適切に管理される森林
  • 人の手によって適切に管理される森林

適切に管理されずに放置された森林は
土砂崩れや洪水などの災害が
起こりやすくなります

  • 4機能が発揮される森林

    4機能が発揮される森林適切に管理された森林は、木々がしっかりと根を張り、下草も茂ります。
  • 4機能が発揮されない森林

    4機能が発揮されない森林適切に管理されずに放置された森林は、日当たりが悪く、土地がやせ、下草も生えないため、土砂崩れや洪水が起こりやすくなります。
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