About
奈良の木とは
2025.12.11(更新日)
11月30日(木) (株)徳田銘木 → 吉野杉の家
12月1日(金)川上村の伐採現場 →(株)丸商店 →(株)櫻井
まず訪れたのは、奈良県吉野郡黒滝村の銘木商「徳田銘木」。本社併設の倉庫を見学しながら、木材に関するエピソードや施工例、業界の現状、木を扱う中で大切にしていることなどのお話を聞くことができました。
株式会社 徳田銘木 代表取締役社長:徳田浩氏
創業以来、この地で林業に携わってきた「徳田銘木」。主に日本家屋の床柱に使われる磨き丸太などを中心に扱ってきましたが、住宅の洋風化などに伴い需要が減少。そこで、これまでの技術やノウハウを活かす新たな商品開発をし、注目されているのが“自然木(しぜんぼく)”です。
“自然木”とは、自然の節や曲がりなどを利用し、先人からの教えである季節を選び、皮を剥ぎ、自然乾燥を施したもの。昨今、都市部の住宅や店舗など、空間デザインに自然の造形を取り入れたいという声が多く、自然木の需要は増加しています。
質の良い木材を育むには、多大な時間と手間が必要となります。ニーズがあればいつでもすぐに対応できるよう「徳田銘木」では、常にいい状態でストックしているとのこと。需要が減少している床柱をはじめ、いろんな場面で注目の集まっている自然木、大きい板など、種類も豊富。膨大なストックを有しながらも適切な提案をしてくれることが、国内外の関係者から信頼を寄せられる理由です。
自社の特長として「日本中で、ここまで木を好きな会社は少ないと思います」とのこと。昔ながらの建材としては、なかなか用途が難しかった木も、出来る限り買い取り、商品化して在庫する―マーケットのニーズに応えるためだけではなく「山に少しでも利益を還元したい」という思いです。市場の変化に対応する姿勢はもちろん、原木に対する目利き、加工技術など、長年積み上げてきたものがあればこそ実現した、新たな木の活かし方だと感じました。
INFORMATION
| 住所 | 〒638-0242 奈良県吉野郡黒滝村御吉野12番地 |
|---|---|
| 電話 | 0747-62-2004 |
| 詳細はこちら | http://www.tokudameiboku.jp/ |
|---|
2025.12.11(更新日)
次の目的地は、吉野川の川辺に吉野町が建てた吉野材の魅力発信拠点施設「吉野杉の家」です。樹齢150年程という大きな欅の木々に囲まれて建つ一軒家は、木の香り、床や壁の質感など、全身で木の温もりを感じながら過ごせるコミュニティハウス。
2016年夏の展覧会<HOUSE VISION 2/2016東京展>に際して造られました。建築家・長谷川豪氏の設計のもと、吉野の製材所が協力して出し合った吉野材を使い、職人をはじめ完成までに多くの地元の人が携わったそうです。この施設は「Airbnb」に登録されており、海外からも多くの方が訪れているとのこと。この日迎えてくれた吉野中央木材株式会社の石橋さんをはじめ、木の仕事に携わる地元の若手事業者を中心とした『Re: 吉野と暮らす会』が吉野町から指定管理を受けて運営しています。
吉野中央木材株式会社 専務取締役:石橋輝一氏
あらゆる部分に吉野スギを使った1階は、地域の人が集うコミュニティスペースとしても利用できるダイニング。2階には、吉野ヒノキを使った部屋が2つ。特徴的な三角屋根の形を活かし、木にすっぽりと包みこまれるような居心地の良い空間が広がっています。
展覧会後、現在の場所へ移築されてまだ1年も経っていませんが、故郷である吉野の景色にすっかり馴染み、過疎化や林業の衰退が進む吉野で、その魅力を広め、地域を活性化する拠点としても活用が期待されています。
1日目の全日程が終わり、参加者全員が宿泊するホテルへ。この日の夜には、奈良県木材協同組合連合会の方々を交えた交流会が開かれました。新たな縁が結ばれたり、意見交換ができたりと、有意義な時間が過ごせたのではないでしょうか。
奈良県木材協同組合連合会 会長:甲村侑男氏
2025.12.11(更新日)
2025.12.11(更新日)
2025.12.11(更新日)