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奈良の木とは
もともと学生の頃からモノ作りには興味があったのですが、木材などに特別な興味を持ったのは東急ハンズに入社してから。東急ハンズ入社前に建築系の職人をやっていたことがあり、その経歴から東急ハンズでも木材や工具などのDIY商品を扱うコーナーの担当になりました。それから15年以上ずっと、各店舗のDIYコーナーや本社の商品部でDIY商品を扱っています。
建築の現場にいたこともあって、奈良の木といえば吉野スギや吉野ヒノキなどの建築資材のイメージが強かったです。特に吉野の木材と言えば、一般小売には出てこないような、神社・仏閣などに使用される高級木材といったイメージでした。
そうですね。私のイメージよりずっとお手頃で、それでいてモノはとても良いです。一般的な木材は、日当たりが良い南側ほど育ちやすいために年輪が歪むんですが、奈良の木はうまく育ててあるから年輪が均等で締まっているんです。木目がきれいで真っ直ぐに育っていて、すごく質の良い木材だと思います。奈良の林業に従事している方々が、とても丁寧に手間ひまをかけて山を守っていることが伝わってきますね。
国産の木材の中では広葉樹の割合は少ないのですが、広葉樹でも質の良いモノが沢山あるのは奈良の木の特徴の一つだと思います。今回の展示販売では吉野スギや吉野ヒノキだけでなく、木材としてはあまり馴染みのないものもあります。特に良い表情をしていると感じたのは、クスノキ、カエデや針葉樹のイブキといった珍しい種類の木ですね。
針葉樹のイブキと広葉樹の朴(ホオノキ)
すごく簡単にいうと、色が濃い木材ほど質量が高く、重くて硬い。色が白いものほど加工がしやすいということですね。あとは、針葉樹と広葉樹の違いを覚えておくと良いかもしれません。
スギやヒノキといった針葉樹は真っ直ぐに育つため、建築資材向き。一方、広葉樹は幹が細く枝が強く出るため、木目が複雑になっていて表情が出やすいです。棚やイス、まな板といったモノを作る場合には針葉樹、もっと木目の面白さを活かしたモノにしたい場合には広葉樹がオススメです。
スギ、マツ、ヒノキなどの木目が素直な木材が扱いやすいと思います。それらの針葉樹の木材はまとめてSPF材(※1)とも呼ばれていて、ホームセンターなどでも安価で手に入るのですが、加工のしやすさは一番ですね。奈良県産のスギやヒノキは木目が素直でまっすぐなのに、密度が高く耐久性も抜群ですから、DIY初心者にも手を出しやすいんじゃないでしょうか。
※1 SPF材…北米産の針葉樹であるスプルース(Spruce/トウヒ)、パイン(Pine/松)、ファー(Fir/もみの木)の頭文字をとったもの。
近づいてみると木目が真っ直ぐで均一な様子がわかりやすい
広葉樹は木目の面白さが特徴ですから、一枚板のテーブルにしたり、家の装飾に使ったりすると良いと思いますね。木目や節の持ち味をそのまま活かせるようなインテリアを作りたいのであれば、広葉樹の木材がおすすめです。また、広葉樹は針葉樹よりも種類が豊富で、種類によって色味や木目の入り方が全く違うので、実際に店で確かめてみて、自分のイメージに近い木材を選んでいただく方がいいと思います。
新宿という場所柄もあってか、お家のディスプレイや店の装飾に使う予定の人が多い印象ですね。あとは、昨今のキャンプブームもあって、アウトドアで使うカッティングボードや薪割りなどに使う用に買っていかれる人も多いです。
板だけでなく丸太などの材も並ぶ
例えばカッティングボードなどの普段使いするようなモノの場合、仕上げにオリーブオイルを塗ってあげると良いですね。乾いてきたら油分を入れると、湿気・水気にも強くなりますし、木が締まって長く使えるようになります。あと、木材はどうしても経年変化が起こるものなので、その変化をどれだけ楽しめるかにもよりますね。ピカピカのまま長く使おうとすると、表面を削ったり入念に手をかけないといけません。そこまでしなくても良いというのであれば、定期的に油分を入れてあげるだけでも大分違いますね。
各家庭に1本くらいはあるような、スーパーで売られているオリーブオイルで構わないです。今の日本では、接着剤や塗料などで口に入れても問題ないようなモノはなかなか手に入りにくいため、オリーブオイルで仕上げるのが一番手っ取り早く安全だと思いますね。オリーブオイルは木の種子から取れる油ですから、組成も木材に近く馴染みが良い。もともと昔の日本では家屋の柱などを米のとぎ汁で拭いていたりしましたが、やっていること自体は同じで、木材には油分を入れてあげるのが大事だということです。
木材は自然由来の材ですから、どうしても反りや歪みがある場合があります。店頭で木材を見る場合、横から見るのではなく縦にして見ると、反りや歪みがあるかどうかを判断しやすいため、木材選びの見方にも注意してみて欲しいですね。
出来れば、あまり柔らかくない木材を選んでいただくと良いと思います。カッティングボードは包丁の刃が刺さり過ぎないように、テーブルの天板は跡が付きづらく長く使えるように、硬め=色が濃いめの木材がいいですね。色が濃い木材は油を入れると色がさらに濃くなって木目が際立つようになるため、見た目も映えるようになります。
DIYのプロの目からみても、奈良の木は木目が真っ直ぐで加工しやすく、さらに耐久性も抜群。かつ、料金もお手頃ということなのでDIY初心者にとってもピッタリの木材だそう。
ということで、今回は奈良の木のこと編集部が実際に東急ハンズで購入した木材を使って、DIYにチャレンジ。初心者におすすめというカッティングボードと折りたたみテーブルを作ってみました。とても簡単な工程ですが、木目の美しさが際立ち高級感のある仕上がりに。
ぜひ動画を参考にしながら、奈良の木を使ったDIYにトライしてみてください!
INFORMATION
| 期間 | 2021年2月15日(月)〜3月14日(日) |
|---|---|
| 時間 | 10:00〜20:00(通常10:00〜21:00) ※1月8日(金)〜当面の間時間短縮営業中。詳しくは店舗にお問い合わせください。 |
| 場所 | 東急ハンズ新宿店 6F DIYコーナー |
| 出展 | 吉野製材工業協同組合 吉野材センター、豊永林業株式会社 |
2025.12.11(更新日)
2025.12.11(更新日)
2025.12.11(更新日)
2025.12.11(更新日)