長い時間と手間をかけて
木材となる木を育てます
わたしたちの身近には、たくさんの木製品や木造建築物がありますが、山に苗木を植えてから木材として使える大きさになるまでには、とても長い時間がかかります。また、木を育てるためには、雑草や雑木を刈り払う「下刈り」、枝を切り落とす「枝打ち」、一部の木を伐って本数を減らす「間伐」といった細やかな手入れも欠かせません。
人工林は、人が木を植え、長い時間をかけて、手入れしながら育ててきたことで保たれてきたのです。
林業の仕事とは?
吉野林業は独自の育成方法により
良質な木材を生み出してきました
奈良の林業、特に奈良県吉野地域(主に川上村、東吉野村、黒滝村)で行われる林業は「吉野林業」と呼ばれ、「密植(通常より3〜4倍もの密度で木を植える)」、「多間伐(何度も間伐を繰り返す)」、「長伐期(長期間育ててから伐採する)」といった、独自の育成方法により、吉野杉や吉野桧といった良質な木材を生み出してきました。
また、一度にすべての木を収穫(皆伐)するのではなく、山全体のバランスや木の成長を見ながら、部分的に収穫(択伐)していくので、森林や周囲の環境、生態系へ与える影響が小さい、ということも特徴です。

密集して植えた木は、木々の間隔を調整しながら何度も間伐や枝打ちを繰り返すことによって、太陽の光をしっかり取り入れながらゆっくり時間をかけて育っていきます。

一般的な人工林は40〜50年ほどで収穫されますが、吉野林業では、80〜100年以上育てます。
長い時間をかけて丁寧に育てられた木は、節ふし(枝の出ていた部分)が少なく、年輪幅が均一で非常に細かく、幹の根元から先端までの太さが一定でまっすぐな木になります。